第31章

真っ昼間だというのに、早希子と母親は肝を潰し、半ば転げるようにオフィスビルへ駆け込んだ。人の出入りが多く、ざわざわとした気配に包まれた瞬間――ようやく息をつける。

だが、振り返った途端。

さっきの白いビニール袋が、まるで二人を追いかけてきたみたいに、同じ場所でくるくると回り続けていた……。

早希子は背筋が凍り、汗が一気に噴き出す。

そのまま一息に神崎拓海のオフィスまで走り、泣きながら飛び込んだ。

「拓海!」

神崎拓海は紬を隣に立たせ、図面を見せていたところだった。そこへ早希子が突進してきて、抱きつこうとする。

眉をひそめた拓海は、反射的に二歩、後ろへ下がった。

次の瞬間。

...

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